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第2回 9月20日(木)18:45~

~貴方の江戸時代の見方、変わります!~

上映作品:
『郡上一揆』
2000年、神山征二郎監督
112分・35mm・カラー

ゲスト:古谷経衡(アニメ評論家、著述家)

1982年北海道札幌市生まれ。立命館大学文学部卒。WEBコンサルタント業を経て2010年より独立。アニメ評論を中心に、多分野でのコラムを得意とする。現在、雑誌編集や電子書籍のデザイン、イベント企画などを手がける他、著作、執筆、ニコニコ生放送など活動領域は幅広い。大学生時代は映画専門学校にダブルスクールし、自主制作映画を撮影するなど映画に対する情熱は人一倍。週に1回は必ず映画館へ通う。

聞き手:タイラヨオ(作詞家・シンガーソングライター・ラジオパーソナリティー)

米ロサンゼルスのカレッジを経営学専攻で卒業後音楽活動を開始。倖田 來未、YA-KYIM、Love(LDH)、ピコ(アニメ『よりぬき銀魂さん』EDテーマ)などへ歌詞を提供。オリジナルアルバム『イキYO!YO!と生きよう』販売中。

18:15
開場
18:45
開演。映画『郡上一揆』
20:45
解説・対談
21:15
終演

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【ゲストの紹介と挨拶】

司会・伊達: 皆さん、こんにちは。今日はお暑いなか、「カルト・ブランシュ」、2012年度の第2回にお越しいただき、ありがとうございます。本日の司会を務めます、映画プロデューサーの伊達浩太朗と申します。宜しくお願い致します。
 初めての方も多いと思いますが、この「カルト・ブランシュ」という企画は、各界で活躍されている方に映画を選んでいただき、日本映画の良さ・魅力を再発見していこう、というコンセプトで4年前に始まりました。
 本日は、皆さんに、神山征二郎監督の『郡上一揆』(2000年)を見て頂きます。この映画は、江戸時代に唯一勝利したと言われる農民の一揆を描いた、ある意味、非常に熱い映画です。
 この作品を堪能して頂いたあと、休憩抜きとなりますが、続けて古谷経衡さんとタイラヨオさんのトークを行います。
 アニメ評論家で映画にも造詣の深い古谷経衡さんと、作詞家・シンガーソングライターのタイラヨオさん。このお2人が、江戸時代をどのように語るのか、私も楽しみにしています。 数あるイベントから、この回を選んでお越しくださいまして、本当にありがとうございます。早速上映を始めようと思います。皆さん最後までごゆっくりご鑑賞ください。

--- 映画『郡上一揆』(神山征二郎監督、2000年、112分)の上映 ---

司会・伊達: 皆さん、『郡上一揆』をご堪能されたことと思います。ではこれから、古谷経衡さんとタイラヨオさんに色々とお話しを頂きたいと思います。皆さん、どうぞ拍手でお迎えください。

古谷: 古谷でございます、どうも。
タイラ: タイラヨオです、こんばんは。
古谷: わたくし物書きをやっております古谷と申しますが、今日はシンガーソングライターのタイラヨオさんと、この作品の解説に付き合っていただこうかと。
タイラ: はい。よろしくお願いします。
古谷: みなさん見てどうでしたか。これは私が選定した映画でございますけれども、江戸時代を描いた日本映画の中では傑出した作品であるという理由で選びました。
タイラ: すごいリアルでしたよね。
古谷: そうですね。この映画、予備知識なしにみても、まず映画として起承転結、物事がなんでこうなったのか、そして2回江戸に向かうわけですけれども、結末がどうなっていったか、劇映画として優秀であるというのがまず一点ありました。
タイラ: はい。
古谷: それでいろいろ解説が必要かなという部分があるのですが、まずこれ時代的には、暴れん坊将軍いますよね。徳川吉宗。
タイラ: 好きです、好きです。
古谷: あれが江戸時代の第8代将軍なのですけれども、この郡上一揆はそのあと第9代将軍の徳川家重の時代なんです。ですからちょうど江戸時代の、ほんとにど真ん中です。1750年、60年ぐらいですから。江戸時代1868年で終わりますから、ちょうど真ん中にあたる。
タイラ: なるほど。
古谷: 暴れん坊将軍が亡くなって次の家重の時代、その次が家治になってくるのですけれど、ちょうどそのくらいです。まだもちろん明治維新とかペリー来航なんていうのは遥かに先で、かといって戦国時代は遥か昔。平和が定着して、社会が熟してきた。いま戦争終わって70年くらいですかね、非常に社会が成熟してきた。選んだ理由に、現代と非常に似ている時代であるというのもありました。
タイラ: 確かに。
古谷: それでこの映画、いろいろ解説していきたいですけれども、まず最初に、検見法と定免法というのが出て来ました。
タイラ: はい。


【江戸時代の農民像。その虚実】

古谷: 江戸時代の農民は非常に虐げられているというニュアンスがあったと思うんです。確かにそれは事実です。ただし、一揆のきっかけになった検見法と定免法というのをちょっと説明しますと、それまでは定免法だった。これはどんな不作であろうと凶作であろうと一定率です。で、検見法というのは要するに検見、加減するということです。「凶作のときには減る」と、裏切った庄屋さんが最初に言っていましたよね。だったら良いじゃないかと思いますよね。
タイラ: そうですね。
古谷: なんであんなに強烈に緒方直人が反対するのかというと、からくりがあります。たとえば教科書で、江戸時代の年貢は何対何て教わりました? 六公四民とか。
タイラ: もう何て教わったか忘れちゃいました(笑)。
古谷: たぶん七公三民とか、要するに税率が7割くらいだったと教わりますけども、これは大きな間違いで、実は江戸時代の年貢の基準というのは、この畑はどのくらいとれるんですと検地をして、それについての定免法だった。たとえば100石とれるうちの定免3割だったら年貢で30石納めなさいとなる。
タイラ: なるほど。
古谷: ところが江戸時代は新田開発がものすごく盛んで、新しい畑をどんどん開拓していくという時代が最初の50年くらいにあったんです。もちろん郡上藩も同じで、どんどん先祖伝来開発していく。すると当然お米が増えますよね。ところが、これあまり知られていないのですけれども、実は江戸時代、増えた分はカウントしないんですよ。江戸時代というのは260年続いて、悪い政府だったらそんなに続きませんので、手ごころを加えるわけです。「みなさんが頑張った分は年貢から除外します」という暗黙のルールがあった。それが定免法。だから定免法で額面4割といっても、開墾で収入が増えていますから、実際はだいたい20%と言われている。今のわれわれの所得税とか社会保障と同じです。
タイラ: じゃあ理にかなっている感じですか。
古谷: ええ。それを、検見法では増えた部分もカウントして、その上で加減するといっている。
タイラ: それは全然話が違いますね。
古谷: でしょ。この映画のこれだけ反対しているイメージというのは、生活が脅かされるというよりは、貯金がとられるというようなイメージだと思っていただいたほうがいいんですね。自分たちが蓄えて頑張って、100年間先祖が増やした収入の分まで加算するんだ、というようなニュアンスなんです。これが彼らが怒った一番の理由。
タイラ: それは必死になりますよね。
古谷: そんなにみた感じ、飢えとかじゃないでしょ。
タイラ: そうですね。でも「借金までして年貢払っているのだ」みたいな場面もありましたけど。
古谷: それはちょっと盛ったのかなという気もします(笑)。江戸時代の農民は、黒澤明の「七人の侍」で最後農民が武器とかを隠し持っていて「勝ったのは農民だ」というくらいしたたかですから。
タイラ: なるほどですね。
古谷: ここまで怒ったのは、生活が脅かされるというより余裕の部分を全部持っていかれる、これがこの一揆の一番の理由だった。
タイラ: なるほどなるほど、良く分かりました。
古谷: この映画のなかで、最初に江戸に行ったときに、あるおっちゃんが「わしは水飲みだから名簿にすら入れてくれなかったんだ」というシーン。水飲みというのは、皆さんご存知のように小作人のことです。小作人と本百姓、要するに自作農ですね。自分の土地で耕作しているか一応ランクがあったのですけれども、あれでちょっと悔やんでいたというような描写でしたね。あとですね、この映画ではあまり語られてないのですけれども、領主の金森頼錦、それが一応改易になるんですけれども、実をいうと江戸幕府の老中の側も処分を受けているんです。なんで金森領主があんなに金策に困って増税しようとしたのか、ちょっと分からなかったと思います。
タイラ: そうですね。
古谷: これは理由がありまして。映画に出てきましたように、江戸時代は普請という概念がありまして、それは江戸幕府が「○○普請」というのを全国の大名に割り当てる。普請というのは公共事業です。たとえば河川を改修しなさい、これは河川の普請ですね。たとえば幕府の将軍が日光の道中を歩くときに警護をしなさい、まあ警備ですね、それも普請。実は全部自腹なんです。
タイラ: そうなんですか。
古谷: でもこれは幕藩体制なので、ギブアンドテイクというか、領国を安堵している見返りに幕府のいう普請、要するに公共事業をやらされる。今だったら公共事業に中央政府の予算がつきますよね。当時はそうじゃなく、公共事業だと言われたら大名の自腹なんです。でもそれでもやっぱり功績を、要するに自腹でどんだけ幕府に忠誠度があるかを示す。
タイラ: それによって自分たちの地域のランクアップを図ると言うわけですか。
古谷: 地域というか自分の藩の取り扱いがよくなるとか。こいつらは自腹でどれだけ貢献するかというある種の見世物、競い合いでもあった。老中も処分されているというのは、要するに贈収賄があった。老中と金森藩主のあいだに贈収賄があって、そこが疑われたというか真っ黒だった。まあ政治的な汚職の話でもあるんです。
タイラ:  途中から、雰囲気がちょっとこれやばいぞ、みたいな感じになってきましたよね。 最初は「うるさい」みたいな感じだったのが、だんだんこう、闇の部分に首を突っ込んでしまったみたいな。
古谷: 実はこれは、江戸時代の佐川急便事件、江戸時代のリクルート事件とも言えるんです。タイラさんが最初に「非常にリアルだ」とおっしゃっていましたが、歴史考証と合わせて見所だったと思うんです。
タイラ: なるほど。ファンタジーと言うか、作り話ではないと言う事ですね。
古谷: 我々が知っているというと、暴れん坊将軍とかの武士階級。そして、大体江戸の町人ですよね。あと、大阪。当時は大阪のこと「おおざか」と言いました。そのへんはちょっと現代風に変えているのでしょうけど。また当時は百姓を「ひゃくしょう」とは言わず「ひゃくせい」。百の性がある。それだけ色んな人がいるという。
タイラ: ああ、そうなんですね。
古谷: 我々の知っている時代劇というのは、大体江戸の町人が出て来て、大工の熊さんとかが飲んだくれていて、長屋でわーたらこーたらやっている。
タイラ: そうですね。
古谷: でも江戸時代の人口の約90パーセントは農村に暮らしていた。こちらの方がリアルなんです。江戸時代、町人というのは例外的なもので、多くは都市に暮らしていません。で、なんとなく農民というのは虐げられ、まあ虐げられているのはそうなのですけれども、ちょっと学もないんじゃないか、とか。
タイラ: そういうイメージはあります。
古谷: いうことを「へいへい」と聞いているような。ところが、定次郎のお父さんとかもの凄くインテリな感じですが、あれは事実。江戸時代、農民は移動の自由が無い。今みたいに「じゃあちょっと京都行ってくる」ということはできない。でも、その代わりに江戸時代の農民というのは、行けない代わりに呼ぶんです。京都とか江戸から、絵描きを呼んだり、俳人を呼んだり、資料が残っています。物書きというのも、こっちからなかなか行けないですから向こうから呼んで、絵を描き、文字とか、読み書きとか、漢書とか漢詩とかをちゃんと読んでいた。この辺の描写も非常にリアルだった。ちゃんとしたインテリでしょ、定次郎とか。お父さんも、しっかりしている。
タイラ: 皆、達筆でしたしね。
古谷: でしょ。そういう江戸時代の農民感というか、今日の企画タイトルじゃないですけど「貴方の江戸時代の見方、変わります!」というか。あとお歯黒していましたよね、ちゃんと。
タイラ: していましたね。
古谷: これがね、非常になかなか、最近の江戸時代を描いたようなドラマは、普通の女優さん使っているので、お歯黒はちょっと事務所的にNGだったり。
タイラ: 事務所的に(笑)。
古谷: そうかもしれないけれども、ちゃんと岩崎宏美さんがお歯黒していましたね。
タイラ: しかも、可愛らしく見えましたね。なぜか。
古谷: 当時の幕末の写真を見ると、本当はもっと真っ黒なのですけど、まあでも岩崎さんの女優としての品格を落とさない程度に黒かったです。ちゃんとね。
タイラ: そうですね。全然大丈夫だった。
古谷: ここもね、ここまで忠実に再現するんだなという感じがありました。あと、十人近くが死罪になっておりますけれども、江戸時代の他の一揆はどうだったのだろうというと、そんなにきついことはしないんです。
タイラ: ええっ、そうなんですか。
古谷: さっきも言いましたように、そんなにきつい過酷な政府だったら260年も続きません。必ずどこかで手落ちをするんです。ただ郡上一揆は本当に大規模な、大体足掛け7~8年に及んだ一揆なので、これはしょうがない。他の一揆は、江戸時代の最初の方を除いて、ほとんど死罪とかの重罰にはしていないんです。というのは、今は政府がおかしかったら投票とかデモとか、そういう風に色々できる。もちろんマスコミもあります。ところが、江戸時代にはそれらがないわけです。投票なんていうのは、普通選挙ができたのは大正時代なわけですから、当然ない。下々の声を聞く制度がない。そうである以上、強訴されてもそれをむげにできないんですよね、権力者の方も。
タイラ: なるほど。
古谷: 最後は死罪になりましたけど、その前の段階では許されている。一回、直訴したのにも関わらず、村に帰ってちょっと謹慎しとれと。それは寛大ですけれど、他の例でもそうなんです。そんなに過酷なことは出来ない。でもよく時代劇では、年貢の代わりに娘を庄屋がさらって行く。
タイラ: ありますね。
古谷: あんなこと絶対にできません。江戸時代に関する誤解というか。そういった点を踏まえてみても、この映画はリアルです。江戸時代の歴史考証が、非常に緻密です。僕が最初に観たのは十年ぐらい前で、そのあと何回も観ましたけれども、そういうリアルさを感じる。観た人の江戸時代の捉え方、イメージが変わるのではないかと思うんですけど、どうでしょうか。
タイラ: 私もリアルさの面で、ちょっと観点は違うのですけど、衣装とか美術とか、あと言葉とか、そういうところも凄くこだわっているのかなという気がしたのですけど。
古谷: そうですね。そのまま当時の岐阜の方言を使うと、多分我々が分からず字幕が必要になりますから、ちょっと現代風にしつつ。でも、非常に聞きとりにくい、意味がわからない単語もちょっとありましたが。
タイラ: たまにありましたね。
古谷: その辺は、ニュアンスを損なわないような形で時代考証していると思うんです。あと衣装ですよね。普通の時代劇では、農民は何だかクリーニングしてきたような感じのものを着ていますけれども、この映画ではとにかく汚い。でもあれが当然なんです。化学洗剤とかありませんから。何着かは持っているんです。でも、現代の我々みたいなクリーニング技術はありませんから、汚いのは当然なんです。アップする時に、化粧は見えましたけど。
タイラ: それは、まあ仕方が無いですね。
古谷: お化粧はあったとも言われていますが、そういうのも、衣装も非常にリアルだと思いました。
この映画の製作は2000年ですから、12年前ですね。
タイラ: そうですね。
古谷: 最後にテロップが、岐阜のもう全面協力みたいな感じで出てきたと思うんですけれども。
タイラ: すごかったですね。3500名と書いてありました。
古谷: すごいですよね。あれは無償です。
タイラ: ボランティアということですね。
古谷: そうです。神山征二郎監督のこの映画に対する思いを、雑誌等々で拝見させていただきましたが、神山征二郎監督も、江戸時代の農民というのはただただ黙ってバカで、何もしないんじゃないかって思っていたら、いや、違うんだと。我々の先祖はね、言うべきときは言って、しかももの凄く教養があって、そんなバカではないのだ。そういうのを自分はこの作品で描きたかったんだと監督はおっしゃっていました。その目的が、この1時間52分の間に濃縮されているんじゃないかと思うんです。
タイラ: そうですね。江戸時代の頃の他の国と比べたら、日本は識字率が№1だったという話を聞いたことがあるんですけども、ああいった農民の方も寺子屋とかでお勉強してというのが当たり前だったんですよね。
古谷: そうみたいですね。相当教養というか文化レベルが高い。時代劇では侍が、けっこう刀で「無礼者!」と斬ってしまうイメージがあるじゃないですか。あれは一応、公には許されているのですが、当時は武士道というものがあります。武士道というのは、弱きを助け強気を挫く。弱いものに対しては寛容でなければならないから、農民に対して、映画の最後に庄屋を取り囲んで薙刀振り回していましたけど、あれも殺しはしないんですよね。せいぜい叩いて斬りつけるくらいで致命傷を負わせることは出来ない。あれは配慮なんですよね。幕府側、お上が弱いのではなくて、そこまでやってはいけない。自制心があるんです。
タイラ: なるほど。
古谷: 大名行列を横切ったら殺される、あれ嘘ですから。江戸時代の有名な記録で、北陸の藩で子供が大名行列を横切り、それを斬り捨てた事件があったんです。本当に斬り捨てたのですが、斬り捨てられた子供は領民なわけですから、当然どこかの藩に所属しているわけです。その殺された子供の藩が、殺した方の藩に猛抗議をして、次からはわが領内を通ることはまかりならん、領内を通行してはならんということを言うわけです。そうすると加害者の藩はその領内を通行できないと参勤交代ができませんから、これは幕府から処分を受けてしまう。ということで、加害者の藩は遺族に和解金を払ったんです。
タイラ: すごく現代っぽい話ですね。
古谷: そうでしょう? 子供一人斬ってこれだけ大騒動になるんです。そんな簡単に斬り殺せるわけないんです。
タイラ: そうですよね。

【武士ではなく、農民の姿を描く事の価値】

古谷: まあここまでの一揆になると流石に死罪ですが、それでも相手方の藩主も改易されている。南部藩というのは岩手ですから、今では岩手は普通のちゃんとした立派な県ですけど、当時は小氷期で地球全体が寒冷化していたので、やっぱり岐阜という暖かいところから南部に飛ばされるというのは、彼らにとっては非常に悔しい、非常に辛い処分だったんじゃないかと思います。色んなエピソードというか、メッセージというのが感じられる作品です。一つの歴史的な一揆のことを捉えただけではなくて、江戸時代そのものに対しての理解を促すような作品だと思うんです。タイラさんはどうですか? 他に江戸時代の時代劇はいっぱいあるし、ご覧になっていると思うんですけど。最近では『大奥』もありました。
タイラ: ありましたね。でもこの映画は全然違いました。やっぱり、テレビとかの時代劇は「まあそういうものだ」と割り切って観てしまうところがある。あまりリアルさについては、気にしなかったりもするんですけれども、これはやっぱり歴史上の本当のお話ですから、そこはちゃんとしっかりやっていただいのは、ホントに良かったんじゃないかなと思います。
古谷: そうですね、歴史時代物はたくさんの映画がある。例えば『戦国自衛隊』という、戦国時代に自衛隊がタイムスリップするという映画がありました。10年くらい前にリメイクされましたが、もともとは1979年です。『戦国自衛隊』は、あれもあれでリアリティがありました。当時の武田軍とかの描写が非常にいいんですけれども、やはり武士なんですよね。武士とか町人を描く。
タイラ: なるほど。
古谷: 農民を描いたという作品はほとんど無い。それは、絵にならないから。話として。
タイラ: えっ、そんな理由ですか(笑)。
古谷: 固定概念もあります。我々の固定概念。武士というのはちょっとこう、刀をさして威張っていて、かっこいいし馬にも乗る。でも昔の馬はあんな大きくないです。あれは輸入種で現代の馬です。当時の日本固有の馬は、ロバみたいな感じです。ちょっと低い感じですね。
タイラ: そうなんですか(笑)。
古谷: そうです。しかも当時、抗生物質とかないですから、すぐ死にます。移動するたびに馬を替えるらしいですよ。当時は。
タイラ: えー、馬は大変ですね。でも農家とかにとって、馬は家族同然みたいな、一緒に働くっていう。
古谷: そうですね。牛耕という牛に曳かせるという技術もありましたけれど。まあそのへんは当時のロバを使うわけにはいきませんし、再現できなかったかもしれません。
タイラ: そうですね。
古谷: 農民をこれだけ克明に描いたのは、もちろん『七人の侍』はありましたけれども、タイトルからして侍が主役で、これだけ農民を前面に押し立てた日本映画はなかなか珍しい。
タイラ: 本当に珍しいですね。
古谷: 一応、これ農民の名前が出てきます。郡上藩の、郡上一揆の郡代の記録。郡代とは今でいう町役場というか一番下の自治体というか、自治体ではないのですが、一番下の出先機関です。そういうところに記録が残っていて、書物で名前が判明しています。定次郎とか、西門なんとか半吉とか。でも、そうじゃない人が圧倒的に何万人もいて、我々は知る術がないですけれども、実は緒方直人以外にも、もの凄い数の重要人物がいたはずなんです。これはもう歴史の流れの中に消えてしまいましたけど、無辜の無名の日本人をここまで前面に押し立てて劇映画にした。これはもう本当になかなかね。2000年に公開したときは、確か東京では岩波ホールでやったと思うんです。岐阜県は地元ですから、上映されていたらしいですけど。
タイラ: 下手したら「自分も出ているよ」くらい。岐阜の人はね。
古谷: あははは(笑)。そうですよね。全国的には、公民館とか、JAの会館とかホールとかで結構ゲリラ的に上映されていて、確か東宝とかそういうところでは配給されていなかったと思うんですね、ちょっと定かではないんですけれども。ただその後DVDになりまして、僕も2000年当時は劇場には行っていないんです。その後DVDで観て凄いと思った。なかなかこれだけの予算、これ8億か10億かそのぐらいです。
タイラ: ええっ!
古谷: 8億ぐらいだったと思いますけども、全部JAとかの寄付ですよ。これだけの予算をかけて作った映画が、なかなか日の目を見ていないと私は非常に思うんです。
タイラ: ちょっと勿体無いですよね。
古谷: 思いますよね。最初のあの「郡上一揆」とタイトルが出て、ワァッと来るところ。
タイラ: ちょっと鳥肌立ちますね。
古谷: でしょ? あれ十人や二十人じゃないですからね。あれだけで、ファーストカットで何百人かいました。あと中盤の、庄屋のところに来た郡代の足軽たちを襲うシーン。石を投げるところですね。一様に用意したように石が丸いのが気になりましたが、本当は大小あるのでしょうけど。
タイラ: 当たっておデコから血が出ていましたよね(笑)。
古谷: あれちょっと痛快でしたよね。
タイラ: あれで結構笑っている方がいらっしゃった。
古谷: 痛快でした。あれだけで千人ぐらいいたんじゃないですか?
タイラ: 結構な迫力でした。
古谷: あの辺とか、本当にこんな大スペクタクル、大予算というのはなかなか無いんじゃないかと思うんです。これはどこかの会社が作ったわけではなく、企画ものでもなく、一応自主映画という体になっているわけですよ。
タイラ: 出演者やスケールを考えたら絶対自主映画だとは思いませんね。凄いですよね。
古谷: もしご覧になっていない方がいれば、お見せしたい。その一心で今日こういう風に企画をさしていただいたわけでございます。
タイラ: スクリーンで観られる機会があって、本当に良かったです。
古谷: 本当そうなんですよ。最近の日本映画というのも、なかなか面白い部分もまあある。最近はジャニーズとか、AKBとか、そういった人たちも映画に出る。非常に素晴らしいことだと思いますけれども。
タイラ: あれ? なんだか語っている目が死んでいるように見えるんですけど。
古谷: いや、そんなことないです(笑)。要するに最近の日本映画が、テレビ局主導で、漫画が原作だったりすることも多いと思うんです。でも、こういう歴史の事実に基づいて、歴史の舞台になった地元の県が一致して、手作りで作っている。
タイラ: うーん、いいですね!
古谷: この監督はのちに、『草の乱』という明治初期に埼玉県秩父で起こった秩父事件、いわゆる民衆蜂起をモデルにした映画を撮ります。この映画で成功したので、次にそういう同じようなテイストの映画を、秩父事件をモチーフにして作った。それも『郡上一揆』があったからなわけです。この凄さというのに、やっぱり関係者は驚いた。
タイラ: こういう地域密着型で、皆で協力して作る。そして自分たちの地域の歴史とか、自分たちの身近な先人を称えるみたいな、そういうのを他の地域でもやったらいいじゃないかと思います。
古谷: そうですね。そういう物語というのは、さっき言ったように、坂本竜馬のように有名でないし、必ずしも名前が出てくる人ではないわけです。
タイラ: そういう派手なのは、まあ置いといて。
古谷: 派手な人が題材になりやすいですけれど、非常に地味です。定次郎と言ったって「え、誰?」という話ですよ。
タイラ: でもだからこそ身近な感じというか、あまり有名な人だと、自分とは関係ないみたいな気持ちになっちゃいます。
古谷: 本当にその通りです。『大奥』とかもヒットしましたけれども、あれも本当に江戸城の一部の特殊な環境ですからね。じゃあ町人は何をして暮らしていたのかというと、色々と花火を見たりしている。でもその町人ですら江戸時代では少数です。もう圧倒的に、9割の農民はこういう感じなわけです。で、最後の3人のさらし首ですけれども、あれもまあ特殊メイクでやったんですよね。
タイラ: あれはリアルというか。凄かったですね。
古谷: なかなかね。「おとっつぁんよー」って、涙がつーと垂れてきましたよね。
タイラ: きましたね。
古谷: あれもなかなかリアルな、血が抜けた感じの肌の色をしていました。さらし首というのは、当然江戸時代にはあったわけですけど、あれは今見たら非常になかなかショッキングです。テレビ企画の映画では、あそこまで出来ないと思うんです。本当にリアルにすると放送できない。あと、よく言われるのは、江戸時代を本当に再現しようと思ったら、もう真っ暗で映画になんかできない。
タイラ: よく聞きますよね。
古谷: 今みたいに電灯ないですからね。月明かりだけでああやって灯篭みたいなの持っていますけれども、あの明かりだってもう消し粒みたいなもので、文字を判読できるかどうかも分からないようなレベルなので。
タイラ: でも、そういう暗い中でも皆、本を読んだり出来た。
古谷: 油の明かりとか高価ですから、学問をするというのは特権階級です。油を買えるということですから。じゃあそういう様な、本当にリアルに表現しようと思ったら、映画として成り立ちませんが、その辺が上手い。どこまでリアルを追求するか、そしてどこまで映画としての完成度というのを優先するか。
黒澤明の『七人の侍』はもっと汚かったです。江戸時代の研究者に「一番、江戸時代の実相に近い映画は何ですか」と聞いたことがあるのですが、やっぱり『七人の侍』だと言っていました。あの汚さ、あのほとんど裸に近いでしょ。その先生も「本当に近くするのだったら裸にしなきゃいけない。それは放送できないから、あれが一番近いだろう」と言っていました。この映画もかなり近いと思います。
タイラ: 結構、はだけていましたよね。

【良い映画とは、何か。】

古谷: これも繰り返しますように、非常に観ていてショッキングである。最初観た時はちょっとショックでした、「ここまでやるんだ」と。江戸時代の見方が非常に変わるようなきっかけだったんじゃないかなと思うんです。どうでしたか皆さん。こういう作品は、多分この場にいらっしゃる方で2回目だよという人はいないと思うのですけど、もう観ているという人いらっしゃいますか? 初めての方、手を挙げていただいて、ほぼ全員ですか。はい、そうなんですよね。いや非常に選定者冥利に尽きる。
タイラ: あはは、そうですね。
古谷: 恐らく、楽しいけれど、しかも価値観がゆすぶられるんじゃないかと思うんです。僕は元々専門はアニメなのですが、映画が大好きでよく観るんです。で、良い映画というのはどういうものか。よく言われるのが、良い映画は脚本が良い。それからカメラが良いんだとか、役者が良いとか言うじゃないですか。
タイラ: ええ。
古谷: でも良い映画というのは、映画館に入って、そして映画館出た後に、世界が違って見えるのが一番良い映画ではないか。
タイラ: おー! ちょっと名言っぽいですね。
古谷: 誰が言ったのか忘れましたけど。
タイラ: あ、自分で言ったんじゃない?
古谷: 僕じゃない(笑)。受け売りです。でも、この映画がそういう映画だったんですよ。
タイラ: なるほど。
古谷: これを観た後、江戸時代の歴史に対する捉え方というのが、ちょっと色が違って見えました。僕はそういう映画こそが真に良い映画だと思います。繰り返しますけど、別に他の映画が駄目だと言っているわけじゃないんです。江戸時代を描いた様々な映画、それは時には痛快だったり、現代の価値観での恋愛があったりするわけです。
タイラ: そういう楽しみ方ですよね。
古谷: そういうのも僕は良いと思うのですけど、それではやっぱり世界観は変わらない。「良い話だったなあ」とか。
タイラ: 「面白かったなーだけど、まあ、うん」みたいな。
古谷: 観た後に、世界観、要するに景色が変わるということはちょっとないという気がする。やっぱり、観た後に良い映画だったなあというよりは、衝撃のほうが強いと思うんですよね。
タイラ: なんか黙っちゃいますよね。
古谷: 黙っちゃいうでしょ。僕はこの映画を最初に見たとき、やっぱり涙しました。これだけのことを我々の先祖というのがやったんだなと。もちろん誇張している部分もあるだろうし、さっき言ったように盛った部分もあるでしょう。馬が現代のものだということもあります。
タイラ: まあまあ、そこはいいとして。
古谷: そこまでのことをやった昔の人というのが、現実にいたわけです。これをフィルムで観れる幸せというか、僕は家でDVDだけでしか見ていなくて、スクリーンで見たのは実は今日が初めてです。やっぱり大画面で見るとなかなか違います。
タイラ: 全然違いますよね。その世界に入っちゃいます。
古谷: 雷がダーンと鳴って、土砂降りの中であの一揆をするわけでしょ。その当時の天候が記録に残っていたかどうか分かりませんけど。
タイラ: 残っていたらしいですよ。あのシーンは忠実にやったらしいです。
古谷: じゃあ本当に雷鳴がなって。その辺は、忠実に再現していたということなんですか。
タイラ: そういうこと、だそうです。
古谷: ますます素晴らしい。
タイラ: 私、メイキングを見たんですけども。DVDのおまけの。そうしたら歴史の、その記録に残っていたということを、監督がおっしゃていました。
古谷: 僕はメイキング飛ばしちゃったので。
タイラ: あはは(笑)。
古谷: いやあの、圧倒されちゃって。もうメイキングに行くまでもなく、本の方に行っちゃったんです。そうですか、あのシーンは、当時の宝暦年間ですかね。その史実に忠実だったということですね。
タイラ: そういうことですね。

【郡上一揆から読み取る、現代人へのメッセージ】

古谷: 最近、まあ江戸時代とからめるわけじゃないですけれども、3・11が去年あって、最近は色んなニュースとかで富士山が噴火するんじゃないかみたいなことが言われています。
タイラ: はい。
古谷: 実は、富士山が最後に噴火した「宝永の大噴火」というのは、この郡上一揆の50年くらい前の1707年に起きた。郡上一揆は、富士山が最後に噴火してから約半世紀後の話ですね。
タイラ: はい。
古谷: 要するに何が言いたいかというと、富士山が噴火しても、これだけ元気なのだから大丈夫だと(笑)。
タイラ: あはは(笑)。
古谷: 50年後にはこれだけ元気なんだと。
タイラ: なるほど、この映画を観た後だと尚更説得力がありますね。
古谷: この時代もいろんな天変地異があったわけですよ。「宝永地震」が起こり「宝永の大噴火」があった。「宝永地震」は南海、東南海、連動型のマグニチュード8.5ぐらいの地震で二万人ぐらい死んだらしいです。そういう自然災害があって、その後に大飢饉もあった。ニュースとかで「富士山大噴火か?」、「日本経済、どうなるのだ?」。でも何のことはない、何十年も経って、元気と言ったらちょっと言葉の語弊があるかも知れないけれども、こんなに元気なんです
タイラ: イキイキしていますよね。
古谷: 活力がありますでしょ。しかも泣き寝入りしない。黙っていないではっきりと、当時の言い方では「強訴」といいますけれど、強訴に進んでいく。さらに、当時は参勤交代がありますから江戸に各藩が藩邸をもっていますが、そこに行って訴える。
タイラ: そうですね。
古谷: この時代は、前後50年くらいはかなり天変地異のあった時代で、さっき言ったように小氷期で太陽の活動が非常に弱くなって、寒冷化した時代でもあった。農作物の実りがちょっと悪い。そういう背景ももちろんあったと思うんです。彼らの主張する「検見法にしてはならぬ」というのは、凶作というのが続いたという背景もあると思うんです。たぶん今よりずっとひどい時代だと思います。地震が起こって、富士山が噴火して、小氷河期です。ロンドンのテムズ川でスケートができた。当時の絵に残っているんですけど、そういう時代の、もうまっただ中です。で、非常に凶作が起こって、もちろん今みたいに化学肥料もありませんから、ちょっとしたことで凶作になる。イナゴによる虫害などもあって、今よりもずっとひどい時代だったと思います。ところがちゃんとしているでしょ?
タイラ: そうですね。
古谷: 決してくじけずに、ちょっと楽しんでいるようなニュアンスすら、僕はなんとなく見えた。
タイラ: 若干、そうですね。江戸に行く時、ノリで付いて来ちゃった! みたいな人も居ましたね。
古谷: 死罪になった彼らはかわいそうだけれども。
タイラ: それは確かに。
古谷: 途中で連判状というのがありますよね。唐傘連判状といって、首謀者をわからなくするために、丸くサークルにして書く。
タイラ: はい。
古谷: あれに署名した全員を罰することは絶対出来ませんから、当然彼らはその後も生きたのでしょう。僕は当時の人たちの気持ちはわからないけれども、やっぱり何かを主張したいという思いと、もう半分は鬱屈とした感情の爆発、血が燃える。言い方が悪いけれども、江戸時代の一揆というのはちょっと祭り的なニュアンスもあったと主張する研究者もいます。
タイラ: なるほどねえ。
古谷: 幕府もそこまで強くできない。農民の方もわかっているわけですよ。だから打ちこわしはやりません。叫んで騒いで、ある程度で妥協して去っていく。非常に現実的な駆け引きですよね。それには一面、ちょっと楽しんでいるようなニュアンスがある。実はこれ、江戸時代の一揆の特徴なんですよね。
タイラ: 真剣ながらも、明るく前向きでいいですね。
古谷: 明治になっていくと違うんです。何が違うのかというと、江戸時代の年貢は米で納める。「絶対に渡さない」と言っていた米俵がありましたね。江戸時代の租税というのは米で納める。米を納められた金森藩主は何をするかというと、その米を大坂の米市場に輸送するんです。そこで現金に換えて、給料払ったりするわけです。でも江戸時代は、さっき言ったように新田開発で生産力が上がるので、米の値段は落ちていく。それでますます武士が貧乏になっていくわけです。これを「米価安の諸色高」と呼ぶわけですが。諸色というのは米以外の日用品です。つまり米の値段は安いがそれ以外の物価は高いと。
タイラ: なるほど。
古谷: だから、必死になっていくんですよね。
タイラ: それってもうそのまんま、「デフレの時に増税しないでよ」みたいな話ですよね。
古谷: ははは(笑)。それと似ているかもしれませんね。この作品の中ではあまり触れられていなかったですけど、農民も現金が欲しい。しかしこの時代は、もうすでに米が余っちゃって、どんどん米価が低落していく。岩崎ひろみが大根を洗っているシーンがありますよね。
タイラ: はい。洗っていましたね。
古谷: あの大根が実は米より重要でして。商品作物という言葉を聞いたことがあると思うのですけども、大根とかを育てて、市場に売却して、現金収入を得ている。非常にしたたかなんですよね、実は。虐げられるだけの一般民衆じゃなかった。
タイラ: なんか勇気がでますね。
古谷: 本当に忠実に映画にしていたら、彼らたぶんタバコとか栽培していますよ。それを売って現金にしていますから。
タイラ: ちなみにお酒とかは?
古谷: お酒は、今でいうドブロクは作っていたみたいですけど、売るほど作るには醸造所が必要になるので、たぶん身内で楽しんだりしていたのだと思います。祭りのときとかに。あと大規模に作れる大根、人参、根菜あたりを、大量に作って売却していたらしいです。あまりその辺を描き過ぎると、ちょっと小ずるくなっちゃうので描かなかったと思うのですけど、本当の農民はしたたかに生きていました。
タイラ: なるほど~。いやあ、勉強になりましたし、感動しましたね! 江戸時代の見方、確かに変わりましたよ!
古谷: ということで、1時間52分いかがでしたでしょうか? 解説はわたくし古谷と(笑)。
タイラ: タイラヨオでした(笑)。
古谷: ありがとうございました。
タイラ: ありがとうございました。

司会・伊達: 古谷経衡さん、タイラヨオさん、どうもありがとうございました。皆さん、どうぞ拍手でお送りください。
さて、「カルト・ブランシュ」ですが、今年はあと1回、来週の火曜に、劇作家の平田オリザさんをゲストに、深田晃司監督を聞き手に開催します。また「ぴあフィルムフェスティバル」の本祭も、2階の大ホールで28日まで開催されます。今週・来週とフィルムセンターに、是非御来場ください。
以上をもちまして本日の企画を終了させていただきます。長い時間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。